MVで見るicon girl pistols10年史 No.2「オニオンリング」

2.オニオンリング - Onion Ring -

icon girl pistols公式MV第1弾(その前に0.5弾があったことは「路上」の記事参照)として初めて真剣に取り組んだ作品。監督はマリナ・ナカガワ。

ケンとマリナの母校だったか2人とも在学中だったか忘れたが、とにかく慶應SFCの軽音サークル部室にセットを組んでもらって演奏シーンを撮影。

当時のアーティスト写真だったりライブの模様を振り返ると、全員スーツ姿で揃えている事も多く、かといってその後それを貫いたりもしていないので、スタイルの模索状態だったのだろう。

ちなみにそのスーツは新宿のCOMME CA ISMに全員で行って買ったんだと思う。安くて細めのシルエットがあったからだ。体重は当時からそこまで変わっていないのに、今やメンバーの誰も当時のスーツを着る事はできない。10年経つという事はそういうことだったりする。

演奏シーンの撮影は、部室内の壁や床に白い布をいくつも貼り合わせ、お手製の撮影スタジオを作り出すことに時間はかかるも、特に滞りなく終了。モニタースピーカーの音量に限界があり、ドラムを普通に叩くと合わせるべき録音済みの音が聞こえなくなってしまうため、健の動きが小さくならざるを得なかったのが少々勿体ないところであった。

次作についてもそうだが、協力してくれた当時のSFCの学生仲間達、皆さんあの時は本当にありがとう。

日を改めてドラマシーンの撮影を行う。これは同じく学生仲間のモモちゃんが当時働いていたBARを営業時間外にお借りして。

マリナが書いた台本に従いそれぞれが与えられた演技を行なったわけだけれど、今見るとどんな設定でどんなストーリーだったか思い出せない。もともとシュールな設定ではあったはずだが、その世界観をちゃんと伝えられていないんだとしたら、それは我々の演技力の無さが原因です。

曲はその数年後の「グッバイドーナツ(自由の女神)」にも通じるが、タマネギの輪にみたてた「閉じたサークル」について書いている。等価交換の原理原則の中でぐるぐる回り続けてしまうことについてというわけだが、難しいことは置いておいて、MVでは生のタマネギを丸かじりするクリスの涙ぐましい努力を見届けて欲しい(何度か撮り直したので何個も食べたね)
ss


▪︎icon girl pistols 10周年記念特設サイトはコチラ↓
http://icongirlpistols.com/10th_anniversary.html




オニオンリング

幸せになりたいのなら大きな
大きな富を手に入れな
それは間違ってない

世の中は交換することで
出来上がって行くのだから
タマネギの層の一つ一つのように
輪になって閉ざしている

僕は大人しく自分の中の
交換できる物を探すと
ポケットの中にたまった
埃の塊と役に立たない知恵を袋に詰めて
長い列の最後に付くんだ

年寄りは長生きした分だけ
多くを持っているように見えて
あるのはすり切れた紙幣だけ
家の階段にそれを貼り付けて
眺めていれば満足だ
僕が差し出せるのはこの小さな体だけ
何処の誰にその価値が決められるというの?

透き通るような魂は誰の目にも映らない
泥水に浸した濁った野菜のような物を
良識と呼んで食卓に並べるんだ

タマネギの輪が閉じている
タマネギの輪が閉じている
それがどうにも気に入らないという

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